toraのCulture日記

クラシックコンサート、映画、読書の感想を書いています

小林研一郎 ✕ 北村陽 ✕ 東京フィルでチャイコフスキー「スラブ行進曲」、「ロココの主題による変奏曲」「交響曲第4番」を聴く ~ 文京シビック「第86回響きの森クラシックシリーズ」

18日(日)。昨日の朝日新聞朝刊のコラム「アロハで猟師してみました」で、農業と猟師をやりながら朝日のコラムニストを勤めている近藤康太郎氏が「弾はある  鴨は必ずいる」というテーマでエッセイを書いていますが、文中で還暦を過ぎた人たちにエールを送っています

「捨てない。投げない。あきらめない。還暦越えて見かけもくたびれ、会社からはロートル、若者からは昭和の老害扱いだが、勝負はこれからじゃねえか。野球は9回スリーアウト、相撲は土俵を割ってから。書くこと、生きること、自分を、見限るな」

近藤さん、ちょっと待ってくれ! 野球は9回スリーアウトなら試合は終わってるし。野球は9回ツーアウトから なら分かるけど。それに相撲は土俵を割ったら終わりじゃね?

近藤さん一流のジョークと解釈しよう。言いたいのは最後のフレーズだと思うので

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昨日、文京シビックホールで「第86回 響きの森クラシック・シリーズ」を聴きました。オール・チャイコフスキー・プログラムで、①「スラブ行進曲」、②「ロココの主題による変奏曲」、③「交響曲第4番」です。演奏は②のチェロ独奏=北村陽、管弦楽=東京フィル、指揮=小林研一郎アンドレア・バッティストーニの代役)です

     

     

オケは12型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び。コンマスは依田真宣です

1曲目はチャイコフスキー「スラブ行進曲 作品31」です。この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1993)が戦争の負傷兵慰問基金募集の慈善演奏会のために1876年に作曲、同年モスクワで初演されました

この曲はカラヤン指揮ベルリン・フィルのLPでよく聴きました。カラヤンの演奏が整然かつ流麗だったのに比べ、コバケンの演奏はより民族色が強い印象を受けました。なかなかライブの演奏に接する機会がないので、今回はラッキーでした。

2曲目はチャイコフスキーロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33」です。この曲は1876年に作曲、1877年11月にモスクワで初演された独奏チェロと管弦楽のための単一楽章の作品です。序奏、主題、第1変奏~第7変奏から構成されています

チェロ独奏の北村陽(きたむら よう)は2004年生まれ。2023年ブラームス国際コンクール第1位、2024年エネスク国際コンクール・チェロ部門第1位ほか数々のコンクールで優勝・上位入賞を果たしています

コロナ前のコンサートで初めて彼を見た時は、童顔で まるで中高生だと思ったほどですが、最近はすっかり大人びて落ち着いた雰囲気になりました

序奏部におけるホルンの高橋臣宣の演奏が素晴らしい。北村の演奏は表情が豊かで歌心があります。これは各変奏とも共通する特徴で、弱音から強音まで極めて美しく響きます。あれから 随分成長したものだと感慨深いものがあります

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました。北村はアンコールにカタルーニャ民謡(カザルス編)「鳥の歌」を静謐に演奏、聴衆のクールダウンを図りました

     

プログラム後半はチャイコフスキー交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です。この曲は1877年から78年にかけて作曲、1878年にモスクワで初演されました。第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ ~ モデラート・アッサイ、クアジ・アンダンテ ~ アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピチカート・オスティナート ~ アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

コバケンの指揮で第1楽章がホルンとファゴットによる運命の主題で開始されますが、劇的効果抜群です。第2楽章はオーボエによりメランコリックな主題が奏でられ、様々な楽器に受け継がれます。この主題には ある意味 人生に対する諦観の念が感じられます。第3楽章は一転、高速演奏による弦のピッツィカートが爽快に響きます。間を置かずに突入した第4楽章は、冒頭に強烈な第1主題が演奏され、頭をぶん殴られた感触があります。しかし、この楽章は「暗」を乗り越えた「明」の世界です。オーケストラの総力を挙げてのアグレッシブな演奏で圧巻のフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーの嵐がステージに押し寄せるなか、カーテンコールが繰り返されました。コバケンはマイクを持って登場、各セクションごとに立たせて賞賛の拍手を求めます。最後に「本当はアンコールに応えたいんですが、今日は”代役”なので、オケの皆さんに無理をお願いするわけにはいきません。こういうのは初めての経験です。アンコールはありません。ごめんなさい」と語り、再び満場の拍手を浴びました。最後にオケのメンバー全員とともに一礼し、コンサートを締めくくりました

”炎のコバケン”ともなると、通常「代役」はないのだということが分かりました。それにしても、ここ数年のコバケンの指揮は自然体で、訴求力が増しています

今年4月には満86歳を迎えるコバケンですが、まだまだ元気いっぱいです

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今日はNHKホールに N響1月度Aプロ定期演奏会を聴きに行きます🐯