toraのCulture日記

クラシックコンサート、映画、読書の感想を書いています

キリル・カラビッツ ✕ 久末航 ✕ オリヴィエ・ラトリー ✕ 東京都交響楽団でブラームス「ピアノ協奏曲第1番」、プロコフィエフ「交響曲第4番」他を聴く

25日(土)。昨日の夕食は「焼き肉」にしました。娘ともども風邪を乗り切るために栄養を付けねば!

     ♬ ♬ ♬ ♬ ♬

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1043回 定期演奏会 Bシリーズ」を聴きました。プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」、②カイヤ・サーリアホ「地球の影」(日本初演)、③プロコフィエフ「交響曲第4番 ハ長調 作品47」(1930年 初稿版)です。演奏は①のピアノ独奏=久末航、②のオルガン独奏=オリヴィエ・ラトリー、指揮=キリル・カラビッツです

キリル・カラビッツは1976年ウクライナ・キーウ生まれ。ルイセンコ音楽学校とウィーン国立音楽演劇大学で指揮を学ぶ。ストラスブール・フィル首席客演指揮者などを歴任、2009年からボーンマス交響楽団首席指揮者を15年間務めた。現在は同楽団の桂冠指揮者を務める

     

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは矢部達哉です

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」です。この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1854年に2台ピアノのためのソナタとして構想、その後、交響曲への改編を目指すもとん挫し、最終的にピアノ協奏曲として57年に作曲、1859年1月22日にブラームスの独奏によりハノーヴァーで初演されました。第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の久末航(ひさすえ わたる)はフライブルク音楽大学、パリ国立高等音楽院、べリリン芸術大学で研鑽を積む。2017年 ミュンヘン国際音楽コンクール第3位、2025年 エリザベート王妃国際音楽コンクール第2位入賞

久末がピアノに対峙し、カラビッツが指揮台に上ります。「あれ、大統領、こんなところで指揮なんかしてていいんですか? お国で政権を指揮しなきゃいけないんじゃないですか?」と言いたくなるほど、ゼレンスキー大統領によく似ています😉

カラビッツの指揮で冒頭から力強い渾身の演奏が展開します。やがて久末のピアノがおもむろに入ってきますが、曲想とすればコンチェルトというよりもシンフォニーです。これは作曲の経緯からすればよく理解出来ることで、ピアノはオケの一部です

久末のピアノは明快そのもので、カラビッツ ✕ 都響とのコラボによりスケールの大きな演奏を展開しました。第2楽章におけるピアノ・ソロの抒情的な演奏も特筆に値します

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました。何度目かのカーテンコールで、久末は鍵盤の蓋を閉め、アンコールはないことを示しました。演奏家は必ずアンコールに応えなくてはならないかといえば、全くそんなことはありせん。アファナシエフのように主義としてやらないアーティストもいます。一つの見識です

     

プログラム後半の1曲目はフィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホ「地球の影」(日本初演)です。この曲はカイヤ・サーリアホ(1952ー2023)が2013年に作曲、2014年にモントリオールでオリヴィエ・ラトリーのオルガン、ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団により初演されました。第1楽章「影は飛び去る」、第2楽章「ドーム」、第3楽章「花、遺跡、彫像」の3楽章から成ります

オルガン独奏のオリヴィエ・ラトリーはフランス出身。23歳でパリ・ノートルダム大聖堂の出席オルガニストに就任し、2012年よりモントリオール国立管弦楽団の名誉オルガニストを務める

ラトリーは、てっきり2階正面のパイプオルガン席で演奏するのかと思っていたら、指揮者と一緒に登場しました。彼はステージ上手のコントラバスの後方に設置されたリモートコンソールで演奏することになります

オケが16型に拡大し、カラビッツの指揮で演奏に入りますが、典型的な現代音楽です。曲想としては「惑星ソラリス」や「ノスタルジア」でお馴染みのアンドレイ・タルコフスキーの映画で流れそうな雰囲気の音楽です。なんのこっちゃ・・・だと思いますが、ボキャ貧で表現のしようがありません。申し訳ありません

最後の曲はプロコフィエフ「交響曲第4番 ハ長調 作品47」(1930年初演版)です。この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891ー1953)が1930年に作曲(その後1947年に改訂)、ボストンで初演されました。第1楽章「アンダンテ・アッサイ ~ アレグロ・エロイコ」、第2楽章「アンダンテ・トランクィロ」、第3楽章「モデラート、クアジ・アレグレット」、第4楽章「アレグロ・リゾルート」の4楽章から成ります

カラビッツの指揮で第1楽章に入りますが、全身を使ったエネルギッシュな指揮振りが印象的で、スピード感溢れる引き締まった演奏が展開します。第2楽章ではフルートがよく歌いました。第3楽章と第4楽章はプロコフィエフ得意のバレエ音楽のような曲想で、躍動感あふれる演奏が繰り広げられました

満場の拍手とブラボーがステージに押し寄せ、カーテンコールが繰り返されました🐯

      (退任するチェロ奏者に伊東首席から花束が贈られました)