6日(金)。昨日の朝日新聞夕刊のコラム「吉田純子と近藤康太郎の音楽閑話」に、吉田さんが「なぜそこに? 謙虚な指揮者たち」という見出しのエッセイを寄せていました。第一生命ホールで開かれた「トリトン晴れた海のオーケストラ」のベートーヴェン「交響曲第6番”田園”」に指揮者の下野竜也氏がトランペット奏者として出演していたことを中心に書いています

吉田さんが下野氏に訊ねたところ、出演は「晴れオケ」のコンマス・矢部達哉氏にスカウトされたそうです。吉田さんの文章で面白かったのは次の描写です ⇒
「トランペットの登場は第3楽章から。肩を丸め、ひたすら待つ下野さん。旅人を見守る精霊や辻地蔵のよう」
”下野地蔵”の様子が目に浮かぶようです。吉田さんはエッセイの最後に、指揮者が演奏者としてオーケストラに参加することについて、次のように書いています ⇒
「自らが影響を及ぼす人々の営みに心を寄せる。その立場に身を置き、同じ景色を見ることで、己の仕事を省みる。人を導く人が、あまねくそういう心根を持ってくれたなら。選挙の月に、夢想する」
吉田さんは選挙候補者と国民を、指揮者と演奏者の関係に置き換えて、候補者は国民の立場になって考え 行動してほしいと願っている ー と解釈しましたが、どうでしょう?
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昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とチーズのサラダ」を作りました。ビーフカレーは今回は切り落とし肉を使いましたが、美味しかったです

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Netflxでブライアン・ナッペンバーガー監督による2017年製作オランダ・アメリカ合作映画「メディアが沈黙する日」(95分)を観ました
この映画はプロレスラーのハルク・ホーガンが、自身のセックス・スキャンダルにまつわるプライバシーの侵害を理由に米ゴーカー・メディア社を相手に起こした訴訟問題を中心に描いたドキュメンタリーです

この裁判ではハルク・ホーガンに莫大な資金を提供していたピーター・ティールという人物がいました。彼はPaypalの共同創業者であり、シリコンバレーで絶大な影響力を持つ超富裕層です。彼は過去にゴーカー・メディアにゴシップを書かれ、恨みを持っていたことが明らかになります。つまりティールはゴーカーを潰すためにホーガンに資金を提供していたのです。一方、「ラスベガス・レビュー・ジャーナル」紙の買収について調査していた同紙の記者たちが、買収者の正体を突き止める活躍も描かれています。ある富豪が金にものを言わせて報道機関を買収し、自分の利益になる報道を行うのを阻止するため、記者たちは抵抗します。その先にいるのはドナルド・トランプです。富豪たちは同じ富豪のトランプを支持し大統領(第1次)に押し上げます

大統領選(第1次)での共和党大会でのトランプの「メディアは最も不誠実な人間の集まりだ。ひどい奴らだ」という演説シーンが印象的です。これに対して、画面に次のテロプが流れます ⇒
「報道や憲法修正第1条をないがしろにしている。彼ら富豪たちはこう宣言している。『我々は真実など怖くない。事実はどうでもいい。報道機関が何と言おうが関係ない。自分たちは真実より強い』と」
そして、「人民の自由は報道の自由に依存する。制限は抹殺に等しい」というトーマス・ジェファーソンの言葉を引用します
ブライアン・ナッペンバーガー監督は、本当はハルク・ホーガン裁判は二の次で、アメリカにおける富裕層による報道の自由への脅威を伝えることを目的に、この作品を製作したのではないか、と思います。原題は「Nobody Speak:Trials of the Free Press」です
ところで、昨日の日経夕刊に「ワシントン・ポスト大量解雇 ~ 従業員の3分の1、購読減、広告も厳しく」という見出しの記事が載っていました。超略すると次の通りです⇒
「複数の欧米メディアによると、米紙ワシントン・ポストがスポーツ報道や国際報道など複数の部門を閉鎖・縮小し、人員を削減することがわかった。削減対象となる部門の従業員は全体の3分の1を占める見通しで、ニュース部門では約800人いる記者のうち300人以上が対象となる。ワシントン・ポストは米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・べゾス氏がオーナーを務めている。同紙は2013年にワシントン・ポストを買収したが、改革を進めるベゾスらと反発する編集部の関係悪化が深刻になっている。24年11月の米大統領選では、べゾス氏が36年ぶりに特定候補を支持しないと決めたが、この決定は読者離れを招き、一時25万人が電子版の購読を解約した。編集幹部やベテランジャーナリストの退社も相次いでいる」
名門紙ワシントン・ポストでも、富豪のオーナーの経営効率第一主義に基づく従業員の大量解雇という不幸な事態がもたらされようとしていることが分かります
さて、富豪層が支持するトランプに話を戻すと、第1次トランプ政権の時は、まだトランプの暴走を止めようとする人物がいましたが、第2次政権の現在は、誰もいません。”裸の王様”トランプはやりたい放題で世界中を混乱に貶めて、自分こそ正義の権化だと思い込んでいます。メディアに対しても、自分に都合の良いメディアだけ取材を許し、異論を唱えるメディアは排除する姿勢はまったく変わりません。こんな出鱈目な人物がアメリカの大統領であることに恐怖を感じます
この映画が制作された2017年は、第1次トランプ政権が発足した年ですが、この時すでに、現在のアメリカの、そして世界の大混乱を予想していたことになります🐯
